【質問】糸締めについて
糸締めについて
前回、箏にかかっている糸について、そして糸締めのタイミングについて書きました。
今日は糸締めについての、ちょっとつっこんだ話です。マニアックかも。。。
実は前回と今回の記事、ベースは2005年にブログに書いたもので、そこから加筆訂正してます。その当時、あくまで一例ですがと頂いた意見を以下にまとめてみました。
ご意見などありましたら是非ご教授くださいね。
糸締めの種類
- 新糸(あらいと)締め 全て新しい糸にして締めなおすこと
糸締め代 + 糸代がかかります。 - 天地(てんち)締め 爪があたる部分(龍角側)を逆さまにし、今、龍尾側にある部位を弾く位置にもってくること。糸は今かかっているものをつかうので、糸締め代のみかかります。
※17絃では送り締めといって、摩耗した部分を避け、締めなおしする場合もあります。
何本って??
『糸締めしてくださーい』とおことやさんにもっていくと、『何本ですか?』と聞かれます。
何本ってなんですか??
と私も思っていたのですが、糸締め具合、つまり張りの強さの事だそう。
六本締めは締め上がり 五が壱越平調子で五絃Dと巾の裏(柱の左側)が同じ音になる(オクターブ違い)。ついでに七の絃Gと七の裏がやはりオクターブ関係になる。
七本締めなら 若干強く締め壱越平調子の六D#と巾の裏が同音程になる。七の表と八の裏も同じになる
通常は何本で皆締めてるの?
いろいろご意見あると思いますが・・6本の糸締めは絹糸(主に古典畑)ではスタンダード(それ以上は切れやすくなる。)17.5匁で6本も多いとの事。
化繊糸(テトロンは商標、欧米ではナイロン)で六本と言うとかなり緩く感じる。
通常は7本以上。ただし絹とテトロンを弾き比べると同じ匁でも絹の方が太くきつく感じる。
現代曲をひかれる方などはもう少しきつめが多いと思います。 ちなみに私自身は7本でおねがいしてます。
昔沢井先生宅のお稽古場の箏は、8本とかだったような・・・9本もあったような・・記憶違いかな。。指を鍛えよう!!という方、男性の方などは今より強めの糸をかけてもよいかもしれませんよね。
なぜ“何本”と呼ぶようになったのか?
ちなみに本数は笛(三味線、詩吟)などの世界で使われる呼び名で1本がAで順次数えて行くとDは6本となる。これが絃の張りの基準としての呼称になったと考えられる
糸の単位は?
ちなみに糸の単位は匁(もんめ)太さではなく重さの単位通常18と言えば匁を表します(一匁は3.75g)
糸締め四方山話
新糸を締める場合には絃の伸びの計算もありなるべく素早く13本を締める。通常ユタンを解き絃をはずし掃除して糸を通し糸玉を付け締め上がり後柱を立て微調整 糸を巻きユタンにしまいはずし糸を処理まで全てでおよそ30分以内。(糸締めの際 絹はほとんど伸びずテトロンが2-30cm引っ張れるとすると絹はそれの1/2-1/3しか伸びない。)
13本を同じ強さに締めると思われているがそうではなくどんな調子でもきれいに柱が並ぶ締め方をする。一<二<三<四<五<六<七>八=九<十>斗>為>巾これほど単純ではないが二は一より強く締め、三は二よりと続く、、八あたりから徐々に前の絃より緩く締めていくが、その強弱の量は各絃微妙に違う。調律師が糸締め棒を使い音を出してるのを見ると思うが前の絃との角度で音程を計り強さを調整している。
基本的には平調子は当然のこと雲井、本雲井が取れ中空 曙調子が取れれば高域のディアトニックでもほぼ完璧に柱は並ぶ。
楽器を始めた頃は、聞きなれぬ事やら専門用語やらおおくて、わかりにくいですよね。私はいまでもそうです!!(笑)参考にしてくだされば幸いです。