先週は上弦週間でした
6月18日、尺八元永拓さんライブがレトロフトチトセで開催されました。私も2曲(沢井忠夫先生の「上弦の曲」と吉松隆さんの「雨月譜」)で、ゲスト出演させて頂きました。
(写真は会場でのリハ風景です)
元永さんとは約20年程のお付き合い。上弦の曲はこれまで色々なところで演奏してると思っていて、もちろん元永さんとも、どこかでご一緒してると思ってたのだけど、実は今回が初めての本番だということが判明しました。ちょっと不思議な感覚。でも自分で言うのもなんだけど、しっくりとそして集中度の高い良い演奏が出来たような気がした土曜の午後でした。
元永さんは翌日も尺八ワークショップとお稽古。鹿児島滞在中、尺八てんこもりの日々だったでしょうに元気いっぱいの元永さんで本当にお疲れ様でした。そして企画をたちあげた持橋さん、良い機会を有難うございました。
そして水曜日は鹿児島国際大学伝統音楽演習講義です。が、この週は尺八の福田井山先生にお願いをして、尺八のレクチャーをしてもらいました。管楽器の生徒さんだけでなく、皆が尺八に夢中のようでした。
ここでも尺八と箏の名曲「春の海」を始め、「上弦の曲」や福田先生のソロ「寒月」など演奏しましたよ。
福田先生にはここ5年程、大学に来て頂いてます。毎回ご無理を言って、講義を受け持ってくださること、本当に感謝いたします。
そして土曜日は鹿児島大学邦楽サークルの皆様のサマーコンサートでした。サマコンでは現役生だけでなくOB,OGの方も来場したり、そして演奏したりするそう。OGでもない私なのですが、前に邦楽部から打楽器を貸していただいたご縁もありまして、福田先生と「五段砧」「上弦の曲」を演奏させて頂きました。
規律正しくて、真面目な印象の皆様でしたが、打ち上げでは元気いっぱいに(笑)。私もほのかに学生気分を味わって、とても楽しい一時でした。
気付けば今週は「上弦の曲」を3回も弾いてた事に。いつ弾いても名曲だなと思います。もっと弾きこんで自分のものにしたいなと改めて思いました。それには尺八の相方がいないとできない事。今回は本当によい機会に恵まれたと感謝感謝。
関係者の皆様、諸々おつかれさまでした!
わかりやすい音楽、わかりにくい音楽
「わかりやすい音楽」と「わかりにくい音楽」について最近ふと腑に落ちたので、記しておきます。
公演でよくリクエストされるのは「わかりやすい音楽」ですね。恐らく、邦楽は「わかりにくい音楽」に位置してるからだと思います。
「わかりやすい音楽」、それはフレーズを皆が知ってるような音楽の類なんだろうけど、もっといえば、共同体を繋ぎやすくするための音楽なんだろうなと思います。その場の一体感を促すような音楽。だから例えばフレーズを知らなくとも、農作業などで自然発生した労働唄や民謡などはここに属するのだと思います。
そして「わかりにくい音楽」、これは今まで聴いたことのない音楽。なんかもう、全然理解できないとか、生理的に受け付けないとか。色々感じ方は人それぞれなのだろうけど、ちょっと小難しい音楽など。そしてある程度の知識を要するもの。
じゃあ、この「わかりにくい音楽」は必要ないんじゃないかというと、そうではなく、ここに音楽のもう一つの意味があるんではないかと、最近感じてます。
「わかりやすい音楽」がカラダで感じるものならば、「わかりにくい音楽」はココロでとらえるもの。『え、これってなに?でも好き❤』とか『全然わからないけど、なんか涙でちゃった』『もうなんか嫌悪感も感じるけど、鳥肌たっちゃった』とか、想像力を促すためのものなのではないかと思います。
アートは答えが一つだけではないジャンル。だからこそ人それぞれの感じ方が違ってよいはず。面白いのは子供は、「わかりやすい」とか「わかりにくい」とか思って、音楽を聞いたり奏じてはいないようですよね。その境界は非常に曖昧で、ただその場の音の雰囲気や、演奏者の気を感じてるだけ。わりにこの両者を明確に分けて考えてるのは大人だけな気がしてます。
だからどっちか一つだけでは面白くないなーと個人的には思います。どっちもあって満足させるような公演が出来るとステキよねと最近よく思います。そのバランスが難しいんですけどね。
福島県いわき芸術文化交流館アリオスにおでかけしてきました。
先週は山野安珠美さんとの箏デュオユニットDual KOTO×KOTOで、いわき芸術文化交流館アリオス企画「おでかけアリオス」の為に、福島県に行ってまいりました。
4日間でいわき市内の小中学校を4校訪問。
1日目は小名浜第二小学校、長倉小学校。海側とそして山側、こうも性格が違うものかという位、同じプログラムでも反応の違う子供達にいわきの広さを実感しました。
2日目は小白井小中学校。小中あわせて全校生徒が6名。山の中にある学校で、子供達の目がまっすぐで本当にかわいらしく、私たちもニコニコアウトリーチでした。
3日目は高坂小学校と内町小学校。3日目はアウトリーチ初のアンコールがかかり、私たちも急遽控室から走ってもどってまいりました(笑)。とても嬉しかったです。
4日目最後は大野第一小学校。いわき最後の学校。黒板に歓迎の絵を書いてくれてました。シャイな印象の子供達でしたが、最後の感想はたくさんの皆が手をあげて発表してくれました。
学校公演はどこにいっても反応が違って本当に面白い。Dual KOTO×KOTOの活動を続ける事ができてよかったなぁと毎度思います。
そしてお昼には終わる公演後、アリオスの方がたくさんのいわき裏情報を教えてくれました。フラガールズ達ががんばる日本のハワイ。オブジェだらけの喫茶店ブルボン。いわき回廊美術館のブランコ。フラミンゴのいるレストラン、メヒコ。かなり斜め一歩先のいわき歩き。本当に楽しかったです。いわきに抱いてた印象がまた変わりました。
この「おでアリ」を受け、来春2月16日には本公演「いわきアリオス音楽室コンサート」が行われます。私たちもまたいわきにお伺いできるのが楽しみ。お近くの方は是非いらしてください。
また今回の「おでアリ」の様子は、アリオスフェイスブックでも掲載されております。興味のある方はこちらもお楽しみください。
https://www.facebook.com/iwakialios/
元永拓コンサートin鹿児島 6/18
尺八演奏家の元永拓さん。昨年12月に引き続き、またもや鹿児島にやってきます。
今回はワークショップだけでなくライブコンサートも開催しますよ。
鹿児島ではなかなか聞けない尺八本曲をたっぷりとディープにお届けいたします。
お問い合わせ、チケット予約は主催の持橋さんにご連絡ください。
持橋:090-4999-2938 motchy_noid@me.com
尺八奏者元永拓の奏でる古典尺八の数々…
古の調べを至近距離でご堪能ください。
独奏曲を中心に,他様々な趣向・
翌19日は尺八のワークショップを開催予定。
【日時】6月18日(土) 15:00開演(16:30終演予定)
【場所】レトロフトMuseo(鹿児島市名山町2-
【料金】3000円(1Drink付,学生500円引)
【曲目】古典本曲「鶴の巣籠り」「鹿の遠音」「虚空」
元永拓オリジナル「天つ風」 他
コンサート・ワークショップ
お問い合わせ 090-4999-2938(持橋)
元永拓(モトナガヒロム)
山口県出身。琴古流尺八を大橋伶晴氏、菅原久仁義氏に師事。
公式webサイトhttp://motonagahiromu.
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昨年尺八ワークショップの様子はこちらです。
第38回渚のコンサート終了しました。
第38回渚のコンサート終了致しました。
ここ数年ずっと参加させて頂いております”渚のコンサート”今年も演奏させてたいだきました。去年は沢井忠夫先生の「黒田節変奏曲」を合奏致しましたが、今年は国民文化祭からの流れもあり、子供達も含めたメンバーで福島雄次郎先生作曲「かごしまのわらべ唄組曲」を演奏致しました。
最近箏をはじめた方、新会員の皆様も含めた桐の音楽院のメンバー11名で箏を演奏。まだ舞台経験の少ないメンバーも多い中、福田井山社中の皆様、そして合唱団ベルファミーユに、力強いサポートを頂き、無事演奏終了致しました。
本来指揮者を要する曲だけに、リハーサルでは楽器隊と合唱隊で曲頭をあわせるタイミングなどがなかなか難しかったりしましたが、本番では息もそろってばっちりでした☆そして歌いながら、そして吹きながらの踊りも短期間で仕上げて下さり本当に感謝。さすがです!お蔭でとても好評な感想を頂きましたよ。
(リハ時の風景です)
本当に皆様有難うございました。会後は我が家の屋上でワイワイBBQしたりして、その準備もたくさん手伝って下さった井山会の皆様には感謝!とても楽しい打ち上げになって、私も嬉しかったです。
皆様本当におつかれさまでした!そして有難うございました!
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鹿児島国際大学、伝統音楽演習講座はじまりました
今年も鹿児島国際大学、邦楽演習講座はじまりました。一時期中断してた時もあったのですが、10年程は講座担当しております。
昨日は皆でさくらさくらを弾き終えて、終わるごとに、「おーーーーっ」「やったーーー」と歓声が上がってました。かわいい(笑)。年度ごとにクラスの性格が違うのも面白いところです。
音楽家の生徒さん達だけに、また教職必修課程なだけに皆さん、呑みこみもはやいと毎年感心しております。
国際大学には箏が15面もあり、これまでの授業は楽器に親しむ事、何か一曲を弾きあげることに重点をおいてました。が、今年からは弾くことにくわえ、少し皆に考えてもらう時間を入れて行こうかなと思ってます。
昨日質問したのは
「なぜ教育課程の中で邦楽器を学ぶことが必修になったのか」
「なぜ音楽や美術など大学受験科目でない授業も学ぶのか」。
答えで多かったのは
伝統を次世代に伝えるため、知ってもらう為
感受性を育てるため、心を豊かにするため
うんうん、そうだよね。確かにその通りだと思います。
では、なぜ伝統は伝えなきゃいけないの?なぜ知っておくべきなの?
感受性を何故育てなきゃいけないの??心を豊かにするってどういうこと?
という質問を次回は皆にぶつけて考えてもらいたいなと思ってます。
楽器を10回の講座で学ぶ経験と共に、私がこれまでの演奏活動の中で感じてきた事、考えてきたことを皆とシェアして一緒に考えていければと思ってます。たた単純に楽器を弾くことよりも、きっとその方がこれからの皆様の人生に役に立つような気がするので。今年の講座内容はちょっと変化球にしてみます。
鹿児島市立吉野東中学校の皆様から嬉しい感想頂きました。
鹿児島市立吉野東中学校の皆様から嬉しい感想頂きました。
2015年11月25日、KAN企画「芸術家派遣プロジェクト」により鹿児島市立吉野東中学校訪問演奏いたしました。
全校生徒390名の皆様より嬉しい感想頂きましたのでご紹介したいと思います。
初めて目の前で和楽器を聞いた子供達
ことの美しい音色や尺八の力強い響きにあっとうされました
尺八、しゃみせん、ことの3種類で演奏した時はすごく迫力があって感動しました
とくにシャクハチはすごいと思いました。ふくのでもすごく時間がかかるのにあんなにかんたんそうにふいていてすごいと思いました。
ことや尺八の音色の変化や、そこからひきださされる歌のイメージを楽しむことができました
いつも馴染みのある曲を和楽器で弾くと
校歌も和楽器で演奏してくれてとてもすごかったです
一番心に残ったものは和楽器でるり色の地球を演奏してくれて、それと一緒に歌ったことです
「〇〇のように」の中に入る言葉は?
学校公演恒例のタイトルあてクイズ!クイズと言っても、皆が答えてくれた回答がすべて正解!! 答えの数は生徒さんの数だけあるんだよ。今回もとても独創的な答えがいっぱいあったので、とても嬉しくなりました。
僕の答えは「かけぬけるように」です。少し早いところなどが走っている時の耳に聞こえてくる風邪をきっていく音や心臓のはくどうに聞こえたからです。
〇〇に入る言葉は「もり」だと思いました。なぜならもりは四季によっていろいろなすがたにかわっていきます。春はピンク色、夏はきれいなみどり色、秋は赤や黄色、冬は白色、になるように私は聞こえました。
〇〇は感情という文字が入りました。なぜなら弱い所は悲しみを、強い所は怒りをというように、音によって感情が表れているような気がしたからです。
自分が当てはまると感じたのが「夢」でした。曲の最初の部分は、体を優しく包み込む春の日光のように心地よい音、音楽だったと感じます。またずっと曲をきいているとさまざまな出来事や感情が頭に思い描くので、それもまた夢のような曲だと思いました。
「嵐のように」聞こえました。なぜかというと、最初の音のテンポが激しく、暗い感じだったからです。
〇〇に「心」と入れてました。理由は演奏の中で強くたくましい音になったり、か細く弱しい音になったり、優しい音に感じたり、激しく聞こえたりしたのが、人の心の中の感情のようだと思ったからです。色々な出来事や人との関わり、時には天気で気持ちがコロコロ変化するところが曲に表れているように感じました。
あと「未来」「雲」「海」「ちょう」「星」「桜」「みずうみ」などなど本当にたくさんの答えを教えてもらいました。
とてもユニークだなと思ったのが、「天かける馬」「台風に立ち向かう男」といった答え!!皆の答えを聞いて、私もまたこの曲に対するイメージを膨らませる事が出来ました。教えてくれてありがとう☆
嬉しい感想ありがとうございました!
最後にとっても嬉しい感想を。
ぼくは楽器も歌も得意ではありません。しかし好きです。そして今回もっと好きになりました。だからもっともっといろんな所で演奏をして音楽を好きにさせ「和」というものをつたえ、笑顔をふやしてください
こんな事を感じてもらいたくて、公演にいってるんだなと改めて感じました。ありがとね!!これからもがんばります。
吉野東中公演は、鹿児島アートネットワークの芸術家派遣プロジェクトにより派遣されたものです。このような機会を設けてくださり、ありがとうございました。